龍江の未来を切り拓く「Professional (プロフェッショナル)」を独断と偏見、自由奔放、縦横無尽に訪ねる企画。
第4回目は山平由里さん。民生児童委員や龍江図書館の分館長など未来を担う子供たちのために活躍されています。本を読むことの大切さ、さらには大人も楽しめる図書館の利用の仕方など、本を通じて子供たちと向き合ってきた山平さんの熱き思いをお聞きしました。

–図書館の司書ってどんな仕事をされているのですか?

山平 通常はカウンター業務というか、いわゆる本を貸したり、返却の手続きをするのと本が中央図書館から龍江分館の分ですよと送られてくるんですよね、それを貸し出せるような状態に受け入れ処理をして棚に並べたり。あとはお楽しみ会を計画したり、小学校と保育園に団体貸し出しって言って月に一回ですけれど、こちらで学年ごとに本を選んで持って行ってということをやっています。

–図書館のお楽しみ会ってどんなことをやっているんですか?

山平 いわゆるお楽しみ会だと「作るお楽しみ会」「クリスマス会」と「春のお楽しみ会」の3回かな。その他には「お話の会」それから公民館の共催ですけれど、「かるた会」、人形劇フェスタの時は「バスツアー」ですかね。

–今は何人の方が司書をやっているんですか?

山平 全員で7名です。基本水曜日の午後と土曜日は午前と午後に分かれているので、水曜日は水曜日だけの人、土曜日は土曜日だけの人ってなんとなく分けているんです。今はがっつり勤めてらっしゃる方が多いんで、なかなかそうもできない時もあったりするんですが。

–山平さんが司書になるきっかけってなんだったんですか?

山平 基本的に私たちには司書免許ってないんですよ。あってもいいんですが、特に免許がなければダメとかそういうことは全然なくて。たまたま自分の子供達が小さい時から図書館に通っていて、当時の分館長をやっていた方から係の人数を増やしたいんだけれどやってくれませんか と言っていただいたのがきっかけですかね。本が好きな人っていうことで選ばれたのかな。

–龍江分館にはどのくらいの本があるんですか?

約11,000冊ですね。

–新しく入れる本はどうやって決めているんですか?

山平 毎週中央図書館から、このような出版された本のリストが送られて来て、その中から入庫する本を選んでいます。基本は中央図書館が選ぶんですが、龍江図書館にあるシリーズものは必ず入れるようにはしてます。あとはリクエストが多い傾向があるものや、私たちの趣味で選んでいるものもありますが、ある程度万人受けするものを選ぶようにはしてます。このリストでは中身までは分からないので、子供向けに選んだ絵本でも実際に来て見たら字がすごく多かったりってこともあります。自分でリクエストして取り寄せて読んでみて、良かったら入れるってこともあります。図書費の予算が龍江分館はいくらって決められているんですね。だいたい子供の本、大人の本を半々ずつ中央図書館の方で決めて入れてくれる場合と私たちがこの本入れたいねって頼む場合とがあるんで、平均すると月に10冊前後くらいかな。

 

–新しい本が入って古いのが出て行くんですか?

山平 廃棄は基本的にはなくて、あまりにもボロボロで修復不可能ってのは廃棄にしますけれど、児童書はやたらに古いからって捨てようっていうわけにはいかず、いい本は残しておかなくちゃいけないので。あとは、龍江の文化祭で古本を無料配布するのに合わせてちょっと古いのを抜きましょうかって抜いたりはします。分館って書庫に入れておくってことをしないんですよ。中央図書館は棚に入りきらない分は書庫に入っていたりするんですよね。なので、蔵書として扱われているんですけど。分館は棚に並べてあるのが全て。

–分館にない本は中央図書館や他の分館からも取り寄せてもらえるのですか?

山平 例えばリクエストがあって、その本が龍江になかった、中央図書館に聞いてもない、鼎も上郷もないって時は長野県中の図書館にあるかどうか調べて、それでもなければ県外から。そこから飯田市のお金で送っていただいてここへ届く。図書館ってそこまでの住民サービスをやっています。結構知らない方が多いんですが、利用しないと勿体無いですよね。相当マニアックなものまで取り寄せてもらえますからね。これこれについての本というような曖昧な条件やこんな本のここに載っている本ですとか。付箋をつけてリクエストしてくれる人もいます。本屋で買うよりはまずここで中身をみて、欲しければ買うという。子供の本もそうですけれど、やたら買っちゃって失敗したって例もあるんで、まずここで借りてという利用の仕方もあるんですよ。

週刊新刊全点案内』(しゅうかんしんかんぜんてんあんない)は図書館流通センターTRC)が作成する公共図書館向け新刊書情報誌・カタログ。週1回刊行で、1週間に日本で発行された本を紹介する。

毎週3500部発行。『週刊新刊全点案内』はTRCと契約した図書館に送付され、書店では販売されない。

   出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


絵本は子供だけのものじゃありません

–図書館を利用する人って大人と子供の割合的にはどうなんですか?

山平 子供の方が数は多いような気がします。ただ貸し出しは4冊って決まっていて、子供の名前で親が借りたりする場合もあるので、大人が何人利用して何冊貸し出したっていうような統計はとっていますね。本は全部バーコードで管理しているんですけど、貸し借りは原始的にカードの入れ替えで、分館は全部それでやっています。基本的に図書館を利用してくれる人の統計を取りたいっていうことで昨年から統計を取り始めました。どの本が人気だとか、どの世代が何を借りているとかまではできてませんけど。大人が読んでも楽しい絵本もあります。絵本は子供だけのものじゃありません。「よあけ」っていう絵本を知ってますか?

–知りません。どんな絵本なんですか?

山平 私がいちばん好きな絵本なんです。持って来ますね。読み聞かせましょうか?

よあけ  ユリー・シュルヴィッツ作・画  瀬田貞二訳

山平 うちにもあってたまに見るんですけど、この絵は経験したことがある人じゃないと分からないし、言葉も少し難しくて子供にはいまひとつよく分からないんですよね。「もやがぼおっと」とか、見たことがない人には分からないですよね。「うごくものがない」っていうところが大好きなんです。あぁ、ほんとに動いてないなぁっていう。これは子供よりは大人の方が共感できるんじゃないかなって。いいでしょ?これ()  小さい子に読んでもよく分からないので小学校とかでの読み聞かせはできないんですけど、ぜひこの本は知ってほしいなと思います。訳した瀬田貞二さんていう方はすごく有名で、この人が訳した本はだいたい間違いないです。

–読み聞かせありがとうございました。こういう大人にオススメの絵本もあるんですね。

山平 クプクプっていうお便りをイベントがある時に出してるんですけど、年に1回くらいはイベントの告知じゃなくて、大人向けのものを出したいなぁって思ってます。昨年からクプクプの裏面に、係の人がオススメする本を載せるようにしています。参考にしてもらえたら嬉しいです。でも絵本って本当に選ぶのが難しいんですよね。すべてがいいものだとは限らないので。いつも選ぶ時に困ってしまいます。

 

どこか行こうよっていう時の選択肢のひとつに図書館を

–まだ図書館に来たことのない子供や大人へメッセージをお願いします。

山平 結構保育園くらいまでは頻繁にお家の方が子供さんを連れてきてくれるんですよね。それで、お母さんがお勤めに出始めるとプツッとそこで切れちゃうパターンが多いんですよね。なかなかお家の人が連れてこないとここに来られなかったりするんで。乳幼児学級の日は開けてたりするんですけど、そういう時にスタートしてもらって、どこか行こうよっていう時の選択肢のひとつに図書館を入れてもらえると嬉しいです。毎回毎週来てくださいってそれは言えないんですけれど、お楽しみ会だけ来るっていうのでもいいんですけれどね。

スマホに子守をさせないで

山平 子供さんにはお母さんの生の声で読んであげてほしいなって思います。今高校生の娘が生後4ヶ月くらいの時から読んであげていて、今でもうさこちゃんの本とかちゃんと覚えているんです。ちっちゃい頃に読んでもらった本って覚えてるんです。読んでもらってると自分でも読むようになるので、結構お勉強にも役に立つと思います。お母さんはちょっと頑張ってお子さんを図書館に連れてきてほしいなと思います。子供が小さい時に本を読んであげないと、大きくなってから読んであげたくても読んであげられません。スマホに子守をさせないでほしいです。小さいうちにしっかり絵本を読んであげてほしいと思います。大人になってから来てくださる方も結構いて、いきいき教室のお年寄りの方もいます。もう亡くなってしまいましたが、80歳くらいの方で自分の読みたい本を何冊もメモってきて、読んだら消していくってことをやられていました。歳をとってからでも利用はいくらでもできます。年代問わず来てみて損はないかなぁっていう感じがします。

“図書館司書の皆さんのオススメの本を持って”